水回りの豆知識

28. 共有トイレトラブルの元!尿石っていったい何?

尿石とは

古いトイレをお使いの時に、便器の内側にこびりついた茶色の汚れが気になることはありませんか?
これらは一見すると水カビかと思われてしまうかもしれませんが、カビにはない特有の悪臭と、こびりつくとなかなか落ちない頑固さを持っています。これが「尿石」と呼ばれるものです。 例えば中古住宅やマンションをご購入された時など、トイレを見てみると尿石がこびりついている…というのはマイナスですよね。 和式ですと、洗いづらい便器の裏側などに付着している事も多いのです。最も生まれやすいのが共用トイレの小便器の溜まりで、尿石が配管に詰まると、水が流れなくなるトラブルが発生しやすくなります。

尿石が発生する仕組み

人間の尿には尿素の他、0.01から0.03%ほどカルシウムイオン類が含まれています。これらが排出されると、まず一般雑菌であるウレアーゼ酵素によって尿素が反応し、アンモニアとなります。
すると、尿がアルカリ性になります。これによって、尿に含まれたカルシウムイオンがカルシウム化合物(尿石)に変質するのです。化合物になると、離溶性(水に溶けにくい)という特徴を持つようになります。 最初のわずかな黄ばみが雑菌の温床となり、時間が経過するにつれて茶色く変色していきます。そのまま放置すると尿石はある程度まで拡大を続けていってしまいます。



対処法と予防法

すでに尿石が付着している場合は、時間はかかりますが塩酸などの強い酸性洗剤を使用する必要があります。しかし、強い酸性洗剤は酢のような強い刺激臭がつきものですし、また、所謂「まぜるな危険」というように、扱いが難しいものです。マスクや換気など十分に注意して除去に取り組むようにしましょう。

次に尿石の予防ですが、細かい定期的な掃除を心がけるか、もしくは自動洗浄機能がついた最新型のトイレに交換する、という手もあります。TOTO、INAXなどの各種トイレには、尿石対策として水の溜まりがアルカリ性とならないよう、流す水のpHを調整するものがあります。こういった細かい積み重ねで、トイレ自身がトイレを清潔に保つようになっています。